横断歩道で先を譲られた車両が歩行者妨害(違反)になるという話。

横断歩道で歩行者から先に行けと道を譲られた運転者が横断妨害で違反切符を切られた(あるいは切られる可能性がある)という話が話題(yahooのトップニュースになる)になっています。警察に歩行者がその旨の証言したけど違反になったという話もあります。

横断妨害の真実は不明だが

でも、、冒頭の言葉通りの状況であれば、違反になることはありません。。

そもそも横断妨害がどうして違反になるかといえば「歩行者が横断していたり、横断しようとしていたりする時は一時停止し、その通行を妨げてはいけない」と道路交通法(第38条)の定めがあるからです。(2018年から警察による取り締まりが強化され、違反件数は従前の2倍になっています。)

歩行者が道を譲れば「横断していたり、横断しようとしていたりする時」に該当せず、違反になりようがありません。警察官は現場で判断しますが、冒頭のような、そこまで聞き分けがない警察官はいません。

もっとも、本当にこのようなことがあったとして、違反となり得るケースは、

現場では他に歩行者がいた、

歩行者が道を譲ったかどうか曖昧、

譲られた車は違う車だったなどなど、

いろいろなケースが考えられますが、こういった場合は確かに違反とされる可能性はあります。が、発信内容だけでは言葉足らずです。もっとも一般ユーザーはそもそも真実を知る必要はありません。

横断妨害

違反点数2点のほか、反則金9000円(普通車の場合)、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金

「ネットで話題」の結論

何かと言えば、話題になったのがTwitterの投稿らしいですが、元々の文字制限の影響で前後背景がわからず読み手の勘違いが生じやすい事だとかいろいろあると思います。

一連の話題(Twitter)から読み取るべき趣旨は「歩行者が横断しようとしているときは必ず一時停止してください」という、一種の周知であると認識したいということです。この話題で「歩行者は譲るべきでない」とか、「警察官の対応が悪いではないか?」とか、そういった諸々の議論は、本来不要です。

ただ、人の関心はこの本来不要なところに出ます。そのために関連ツイートが増えて話題となります。話題になれば「歩行者が横断しようとしているときは必ず一時停止してください」という趣旨は大勢に伝わります。(真実は関係ない)

言い方を変えれば、これを話題とした手法は、広告としては優秀という事になります。