ヘアスプレー,柔軟剤(シリコン)は空気清浄機を不能にや石油ファンヒータを故障させる

シリコーンを含んだ化粧品やヘアスプレー、トリートメント、柔軟剤は、その揮発したシリコンが空気清浄機のプラズマ機能を不能にし石油ファンヒータの正常作動を妨げます。よって空気清浄機や石油ストーブを使っている場合は、機器がシリコーンを吸い込まないように同じ部屋使用しないなどの配慮が必要になります。

シリコーンが与える影響

いずれの場合も空気中のシリコーンの絶縁体の性質が危機に悪影響を及ぼすことに共通点があります。絶縁体というところでフッ素樹脂も同様に考えられます。

シリコン?シリコーン?その違い

シリコンとは元素の事で酸素の次に多い元素で、シリコンから作り出されるのがシリコーンで撥水性のある高い絶縁性を持つ有機と無機の中間的な化合物です。つまり、シリコンとシリコーンは別の物質ですが、世間一般ではシリコーンを便宜上シリコンと呼ぶことが多いので、ここではシリコーンをシリコンと表記します。

「○○シリコン○○」「○○シリコーン○○」「○○メチコン○○」「○○シロキサン○○」「○○シラン○○」「シリカ「○○メチコン○○」等と表示されています。特に「シクロメチコン」「シクロペンタシロキサン」は揮発性が高いとされてます。

石油ファンヒーターと石油ストーブの違い

石油ファンヒータとは一般的にファンによる強制吸排気を行い、常時電源を必要とする比較的においが抑えられているストーブです。シリコンの影響を受けやすいのはこの石油ファンヒータータイプです。

石油ストーブとは芯などを用いて石油を燃やすため着火時以外に電源を必要としないタイプが多いです。キャンプなどで利用されるることが多い匂いが強いストーブです。

なお、石油と表現していますが、実際は灯油を使用して発熱させているため、灯油ストーブというのが正確な表現です。石油とはガソリンや軽油、灯油の総称で石油の中に灯油が含まれるので、間違いではないものの、ガソリンを誤って燃料とすると事故になりますので、メーカーは呼称を変更した方がいいとは思います。

シリコンは空気清浄機に及ぼす悪影響

空気清浄機のプラズマクラスター(sharp)やストリーマ(ダイキン)などを発生させる電極部分にシリコンが付着すると、電気の流れが阻害されてイオンが発生しなくなります。シリコンは絶縁体なので当然と言えば当然です。

よって、へアスプレーを使うと、結構離れた空気清浄機が反応するときがあると思いますが、そういったときにはシリコンも吸い込んでいると考えられます。ただ、シリコンが付着しても空気清浄機自体は動き続けることもあり、性能の低下に気づかない時もあるので注意が必要です。

ただ、ナノイー(パナソニック)にはシリコンの注意書きはありません。

シリコンが石油ファンヒーターに与える影響

石油ストーブの場合は、バーナに空気中のシリコンが徐々に付着して酸化被膜を形成し、酸化被膜は絶縁体なので誤作動(電流を阻害し安全装置が作動する)を起こします。この時バーナーは白く見え、その白いのがシリコーン酸化被膜というわけです。

シリコンは高温で焼き切るというのは難しく、たとえバーナであったとしても自然に分解されることはありません。白い付着物がガラスだと考えればわかりやすいと思います。(実際、白い付着物はガラス質のSiO2・二酸化ケイ素)

日常生活では洗濯物からでる繊維埃に付着している柔軟剤のシリコン化合物(石油ファンヒーターと部屋干しの組み合わせ)、ドライヤー代わりに髪の毛を乾かすときのヘアトリートメントのシリコン化合物(髪の毛が乾いていないときに揮発する)による影響は積極的に避ける必要があると考えられます。

メーカーのシリコン使用に対する注意書き

シャープのプラズマクラスターの注意書きには次のような記載があります。

本体の近くでは、フッ素樹脂やシリコーンを配合した化粧品など※は使わないでください。
(本体内部にフッ素樹脂やシリコーンが付着し、プラズマクラスターイオンが発生しなくなることがあります。)
※ ヘアケア商品(枝毛コート液・ヘアームース・ヘアートリートメ ントなど)・化粧品・制汗剤・静電気防止剤・防水スプレー・つや出し剤・ガラスクリーナー・化学ぞうきん・ワックスなど

ダイキンの空気清浄機ストリーマの注意書きには次のような記載があります。

本体の近くでは、シリコーンを配合した化粧品などは使用しないでください。ストリーマユニットの針にシリコーンなどの絶縁物が付着し、ストリーマが発生しなくなることがあります。

CORONAの石油ストーブの注意書きでは次のように記載があります。

石油ファンヒーターを使用する部屋でシリコーン等を含む商品を使用すると、シリコーン等が本体内に吸入され、炎検知器(フレームロッド)周辺に白い酸化物が付着し、着火不良や途中消火といった症状が発生します。飛散、蒸発したシリコーン等は目には見えません。※このとき、エラーや換気警告ランプが表示されます。

TOYOTOMIの石油ストーブには次のような記載があります。

石油ファンヒーターの安全装置(点火安全装置、不完全燃焼防止装置)は燃焼の炎を微電力で検知しています。石油ファンヒーターを使用されているお部屋の中でシリコン製品を使用されますと製品の内部にシリコン化合物が付着する事があります。シリコンは絶縁性が高く安全装置に付着した場合、微電力を検知できなくなる為、エラーが発生します。

※シリコン配合商品が原因での故障については保証期間内でも保証対象外になります。

※シリコン配合商品とはヘアスプレーやシャンプーやトリートメントなどの化粧品類、柔軟剤、家具の艶出し剤などで製品に注意表示がされているものです。ただしシリコン配合商品にも注意表示、成分表示がないものもありますので十分に注意ください。

シリコンの影響を防ぐための方法

空気清浄機と石油ファンヒータのシリコンに対する注意書きには若干の違いが見受けられます。

ストーブの場合は同じ部屋で使用してはいけないレベルの記載が多く、空気清浄機では近くで使用しないよう記載されています。そもそも揮発性のシリコンはそこら中に浮遊することが知られており、例えば塗装工場内では塗料をはじく塗装不良の原因となるためシリコンの使用が厳禁となっています。

CORONAではシリコンの影響を避けるため次のような記載があります。

石油ファンヒーターの故障の原因になる旨の表示がされているヘアケア製品等は石油ファンヒーターと同時に使用しないでください。その他のシリコーン配合製品も同時使用は控えてください。

やむなくご使用になる際は石油ファンヒーターの運転を一時的に停止し、使用後は換気を十分に行ってシリコーン等の成分を屋外に排出してから運転を再開してください。

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