たとえばAさんが一戸建ての持ち家が欲しいと考えた時、Aさんは戸建てに必要な土地を選択することになりますが、自由に選べることは無く限られた中からAさんが土地を選択しなければなりません。(もちろん、すでに建てられた建売住宅を土地とセットで購入するという手段もあります)

土地の良し悪しを判断する情報

戸建てを建てる際に、その土地の良し悪しを判断する際の情報の一つに、地盤の調査結果があります。しかし地盤調査は、土地を購入してから行うのが一般的です。その地盤調査の結果で変わるのは、戸建ての場合だと、基礎の構造といったところでしょうか。

そもそも土地を購入する前にその土地の良し悪しを判断する情報はなにもない事になってしまいます。(購入前に他人の土地に自ら費用をかけて地盤調査を行うことは簡単なことではありません)

*ここでの土地の良し悪しとは自然災害に強いか弱いかということに限定。

土地を選んでいると、、、

Aさんは土地購入を勧める方々(宅建業者さん)はから

「周りの家が○○だから大丈夫」

と、周りの建物が一般的だからその土地も一般的な可能性が高いという説明を受ける時があります。 宅建業者さんが説明しているのは、一般的な土地だということで「悪くは無い土地」だという意味です。さすがに周りの家の状態だけで「ここの土地は地盤がしっかりしている良い土地だ」という具体的な説明をすることはないと考えたいですが、実際にAさんが優良誤認するような言い回しが行われる可能性は否定できません。

しかし最近では、比較的簡単に近隣の地盤調査結果の情報が入手出来ます。これを確かな情報としてAさんは土地の良し悪しの判断が出来るのでしょうか。

近隣の地盤調査の参考データーに、、

土地の良し悪しの判断のひとつである「土地の軟弱な地盤か?堅固な地盤か?」という部分は近隣の地盤調査の結果を参考にする場合もありますが、これはあくまでも地盤が軟弱な時がわかる程度といえます。

つまり、地盤が軟弱、周りの土地が全て軟弱な土地だというデーターがあれば、そこも軟弱な土地だという確かな判断は可能だということです。しかし、反対に地盤が強固、周りが全て堅固な地盤だからそこも堅固だという判断は出来ず、そこだけが軟弱である可能性は十分にあります。

近隣の地盤データーでは、そこが弱い地盤という確かな判断は可能でも、強い地盤であるという確かな判断は出来ません。

地盤データーの信頼性?

地盤調査の方法にはいくつもの種類があり、その中でも調査をどこまで行うかというグレードも異なっています。しかしも通常入手できる結果は、地盤評価結果だけです。つまり地盤が強いか弱いかといった評価結果だけで、調査方法や内容(ボーリングデーター)などの入手はとても困難です。(2018年4月に地盤データーの共有化への取り組みがスタートしています)

さらに地盤調査の信頼性の高さはその地盤調査の費用に比例します。戸建ての地盤調査にかける費用を考えると、地盤データの信頼性にも疑問を禁じえないといえます。(もっともその調査方法に対する信頼は個人の好み)

たとえば、今は住宅を建てる時に地盤調査報告書が原則として必要とされていますが、その報告書では、地盤の固さを現すのにN値というものを使用します。(N値は数字が大きいほど土地が固い)多くの場合、N値は推定値になっています。可能な限りのたくさんの情報を確認して土地の購入を考えたい場合の1つの情報にすぎません。

地盤調査が必要な2つの理由
2000年の建築基準法改正により結果的に地盤調査が必要(基礎の計算で地耐力が必要)
2009年の住宅瑕疵担保法により結果的に地盤調査が必要(瑕疵担保責任の加入に必要)

*ただいいずれも必須とは言い難い

最初に述べておくべきでしたが、良い土地と言うい判断は実際の様々な情報、データーから総合的にAさん自らが判断するものです。よって、N値が高いからというだけで判断する人がいた場合でも、それはその人の好みの問題です。