売上台帳の作り方

ここに最近、売上台帳が無い事業者や、売上台帳ではない書類を売上台帳として確認を求める事業者の皆様が多くなってきています。

支援金の売上台帳

支援金の売上台帳に”代替書類”は無く、勤務日報などは売上台帳とはならないとお考えいただければと思います。なお、実務上、売上台帳という言葉はあまり使いません。月次売上、売上明細、売上帳、売上表、(単に売上)という事が多いです。

売上台帳のに記載されるべき項目
  1. 題名・該当月・事業者名
  2. 日付・品名(内容)・取引金額金額
  3. 合計金額

例)

1であれば、「売上・2022年2月分・事前確認商店」

2であれば、「5月26日・報酬。11000円」

3であれば、「12月分合計金額33000円」

そもそもどういった書類が売上台帳なのかといえば、確定申告を正しく行うための日々若しくは月の売り上げを記録した紙(書類)という程度の認識でよろしいかと思います。実際、公式に必要な書類として「その月の合計事業収入(つまり売上)の合計がわかる資料」という説明で売上台帳を一例にしているだけです。(先の代替書類は無いという説明と矛盾するようですが、実際は売上台帳が必要になります。)

よく間違えるのが、取引先との取引詳細を売上台帳に替えるという方法で問題ないと思ってしまう事です。これは事業者が実際に「取引先が一社のみ」の場合はそれで全く問題なく確定申告書の作成が行えてしまうからだと思います。しかし、支援金ではこのような売上帳を作成せずに取引の明細などをもとに直接確定申告を作成しているしている場合だと、不都合が出てきてしまいます。

いわずとも、、売上台帳が無いという不都合はもとより、仮に取引の明細を売上台帳とした場合に高確率で発生する「基準月の一取引の売上にかかる請求書等」が無いという不都合です。

よくある売上台帳の間違いミス

その時に気を付けたいのは、売上台帳に必要とされている項目中よく抜けている「月の合計金額」「事業者名(自分)」の2つを忘れない事です。

特に個人事業者自身からしてみれば、「その書類の金額」が月の合計売上であることは当然で判り切っていることですが、他人からしてみれば。「その書類の金額」が、その事業者の月合計(月の総額)かどうかはわかりません。

先の「取引先が一社」の場合だと、他人からはその一社以外に取引があるかどうかもわかっていませんので、やはり、売上台帳などを作成して、他人が見ても〇月の合計売上がわかる書類を整えなければなりません。

一社専属事業者の売上台帳(月間の事業収入)の例

2022年12月(年歴月)の売上
事業者名(自社)

取引日)12月△日/(内容)点検サービス/(取引先)行政大学/(金額)11000円

月の合計額)月合計11000円

売上台帳と呼ばれている申請時の証拠書類はこのような内容で問題ありません。特に表にする必要もありません。事業内容によって、一取引が一行ではなく、一行が一日分の売上となっていても構いません。

「ちょっとした表が良いかな」と思う場合は次のようなもので問題ありません。

売上台帳例売上台帳例

ちなみに、基準月の売上台帳と対象月の売上台帳の書式が同じである必要はありません。違っていても問題になりません。

そもそも基準月の売上台帳は事業の継続実態を証拠するもので、対象月の売上台帳は対象月の売上金額を証拠するものという違った役割をしています。

報酬の支払調書や源泉徴収票で確定申告を行っている場合の売上台帳

確定申告書の第一表の事業収入を支払調書源泉徴収票の支払総金額(一番大きい金額の欄)を基にして記入している場合、売上台帳の記載されるべき金額は入金金額ではありません。請求書があればその請求金額、明細書等があれば支払金額(振込金額ではない)になります。つまり、源泉徴収が差し引かれる前の金額が売上額となるのが一般的です。

大原則として、売上台帳を12か月分合計した金額が確定申告書の事業収入になります。

売上帳の実際

個人事業主の場合は白色申告であろうが、青色申告であろうが、売上を示した帳簿を作成する義務があります。これは決まり事なので、個人事業主が申請できる支援金で必須書類とされる「売上台帳」には存在しないことが想定されていません。

売上台帳が存在しないと確定申告書が作成できず、

確定申告書を作成しなければ確定申告が行えず、

確定申告を行わない事業者はいない。

ゆえに、売上台帳が存在しないのは事業者ではないから支援金の給付対象外、という考えになります。

ただ、実際には電卓だけで確定申告書を作成し、確定申告が行える事業者は存在しています。これは決まりごとに反しているので、違法といえる状態ですが、義務に違反しているというだけです。当然のことですが、反対に証憑とともに売上台帳が整っていれば違法な状態ではありません。

クラウド会計で売上台帳を出力

クラウド系の会計サービスを利用している場合は、その中で売上台帳が出力できます。(売上台帳とは記載されず、単に売上、売上高、売上帳という題名になります。)基本的にはそのまま支援金の売上台帳として利用できますが、月の合計金額と事業者名の記載があることを確認し、無い場合は追記を行います。

売上台帳の出力方法は各社異なりますが、一般的には総勘定元帳で売上を選択すると表示されます。

三大クラウド会計(freee,マネーフォワード、やよいオンライン)での売上台帳の出力方法

freeeの場合はレポートから総勘定元帳を選択して「売上高」で絞り込み「エクスポート」でPDFを選択し「出力した帳票一覧」から作成します。

やよい青色申告オンラインの場合は名ニューの「レポート」から一番右下にある「総勘定元帳」選択して「帳票ダウンロード」から作成します。

やよいオンライン

売上台帳エクスポート

 

マネーフォワード(Money Forward, MFクラウド)の場合は、「会計帳簿」から総勘定元帳を選択し、「売上高」で絞り込み、「エクスポート」で作成します。