バルコニー手すりの防水と通気

一般的な木造戸建てのバルコニー手すりの内側の仕様には色々ありますが、最近は通気工法というものが主流です。壁の中に空気の流れを作るというもので下の図でいうと6番あたりがそれになります。

ちなみに1-4の手すりの構造では通気層に対する雨水の侵入は殆ど0という実験結果が出てます。

バルコニー手すり壁笠木周りの防水性に関する実験より

木造戸建ては基本的に防水シートというもので包み込んでから外壁を施工することで雨漏りを防いでいますが、防水シートと外壁の間に通気層を設けて喚起することで湿気による木材の劣化を防ごうというのが今の当たり前な考え方です。

内壁>防水シート>通気層>外壁

しかし、バルコニー手すり壁については未だ当たり前な考え方が存在しません。一応住宅金融支援機構の仕様書では手すりと連続した通気層を設けるという工法が示されていますが、強風時には雨が吹き込むという欠点があります。

吹き込んだところで防水シートがあるから良いではないかと思うかもしれませんが、通気層に雨水が入り込むことになっているのは不良です。あくまで万が一雨水が入っても良いようにということなので、そのもそも雨の侵入が前提の仕様はいかがなものかという話にもなってきます。(雨水により木材中の薬剤が流れ出ると様々な不具合につながります)

また、手すりの下にコウモリが住み着くという事もあるようで、建材メーカーもどうするのがベストなのか悩みどころだと思います。

おそらくは通気させてかつ雨水が全く通気層に入らない構造とするのが一番良いと思われますが、未だそう言い切れる商品はありません。(限りなくゼロだろうという商品は続々出てきています)