相続手続きを行うときは必ず最新の情報を手続ごとに事前確認しなければなりません。特に月が替わると(4月や9月に多い)書式が変更されることもあるので注意が必要です。
相続に限らず、最新の情報は職業人(行政書士)として確認すべきではありますが、特に相続手続きの場合は「前回こうだったから」今もそうだとは限らないことが多いです。
銀行なり生命保険なり、其々の機関が日々生じる問題をもとに相続手続きのマニュアルを変えているからです。
ちなみに、ほとんどの銀行では、相続手続きを相続センターで一括処理するような体制をとっているので、処理自体はスムーズです。(ただ、受付を窓口で行う場合は、やはり、多少の支障が生じることはありますが、それでも相続センターに問い合わせて確認を行っているので問題になることはありません。)
書式やマニュアルの変更について、我々がきちんと把握していたとしても、支店や担当者レベルでは、それを窓口の担当者が知らないなんてこともあるので、そうなってくるとややこしくなります。(ゆうちょ銀におおい)
もちろん、関連制度の改正(法改正)は、当然に相続手続きに影響が出てきます。法律の施行日に合わせて各機関が手続きや書式を変更しても、しばらくは手探りとは言わないまでも、手続きを進めるうえで不備に対応しきれない部分は必ず出てきます。
そういった不備を無くすために、各機関は新しい書式などの設定をしてくれているので、我々も常に最新の書式などにはきちんと対応していかなければならないと、今回はそういうお話でした。
ついでに申し上げると、インターネットで調べて本人が手続きをする場合の注意点として、その情報の4割は実際と違っていて、4割は本人の置かれている状況とは異なり参考にならず、残り2割が有益な情報かもしれない。そんな感じです。
今調べたところで、例を挙げると、ゆうちょ銀行の相続手続きについて書かれているサイト(bing検索)では、そろって必須書類に相続確認表というものをあげていますが、これは必須ではなく不要なケースがあります。そして、代理人が手続きをするときの委任状も古く(今は相続専用の用紙がある)、他にも最低2回は支店にいくというのも実際とは異なります。
ゆうちょ銀行の相続手続き
ここで、ゆうちょの相続手続きについて章立てし、書きたいと思います。
銀行の相続手続きは、ゆうちょ銀がもっとも難しいとされていますが、そんなことはありません。銀行などの金融機関はどこも横並びです。一般の方が手続き(記入方法や必要書類など)がわからずに苦労するのは大手銀行だと思います。(信用金庫などは対面で親身になって対応してもらうことができます)
ゆうちょ銀行の相続手続きでは、あたかも委任(代理人)による書類の作成や訂正が行えないかのように説明され、代理人が委任状で行えるのは書類の提出や受領などだけのようになっていますが、そんなことはありません。
ゆうちょ銀行は相続手続き専用の委任状を公開しています。
令和6年10月以前の相続手続き用の委任状はこのような内容でした。
なお、相続手続きの委任状に記載されている委任事項の詳細は次の通りです。
- 「相続手続に関する書類の提出」書類の提出を代理人様が行う場合
- 「相続手続完了後の書類等の受領」⇒相続手続完了後、完了通知の書類や通帳等の送付先を代理人様にする場合
- 「相続手続による払戻金の受領(払戻証書の換金、通常貯金への入金)」払戻証書で払戻金を受け取り、換金を代理人様が行う場合や、代理人様の通常貯金口座に払戻金を入金する場合
- 「相続手続に関する返送書類の受領」書類の不備があった際の返送先を、代理人様にする場合
- 「相続手続に関する電話連絡」電話連絡を差し上げる場合に、連絡先を代理人様にする場合
- 「上記項目のすべて」書類の提出から払戻金の受領、連絡等すべてを委任する場合
ただ、相続手続きは複雑です。
金融機関も相続件数の増加もあってか、2010年代後半からセンターによる一括集中処理を始めています。また、支店で相談しようにも予約が取れないという状況です。
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