自賠責とは?

自賠責は、交通事故による被害者を救済するため、加害者が負うべき経済的な負担を補てんすることにより、基本的な対人賠償を確保することを目的としており、原動機付自転車を含むすべての自動車に加入が義務付けられている強制保険で、怪我などの人身事故では上限が120万円、死亡事故では上限が3000万円、後遺障害では上限が4000万円とされています。

行政書士は自賠責請求ができるか?

行政書士が自賠責請求の代理業務を行えるかどうかについて、その判断は分かれているようです。

わかりやすく言えば、3階建ての合計6戸の建物はマンションというか?それともアパートというか?というくらいあいまいに意見は分かれているかもしれません。そして、実際、「どうでもいい」内容です。

例えば、

昭和47年5月8日
自治行第33号、日本行政書士会連合会会長宛 行政課長回答
問:
自動車損害賠償保障法第15条、第16条、第17条及び72条の規定による保険金等の請求に係る書類を被保険者等の依頼を受け、報酬を得て作成することは、行政書士の業務範囲と考えるがどうか。
答:
お見込みのとおり。

そして自賠責は、今でもその保険(共済)金額は政令で統一され、その支払い基準も国土交通大臣及び内閣総理大臣が定めることになっています。そして、財務省は自動車損害賠償保障事業を自動車検査登録事業と同じ「自動車安全特別会計」で取り扱っています。これらの事実から感じるイメージは「お役所」です。つまり自賠責は国が大きく関与し運営されていると感じさせます。

持論ではありますが、行政書士の業務範囲は「官公署に提出する書類とこれに同じレベルの権利義務又は事実証明に関する書類」という認識です。

自賠責請求を考えれば、他の法律でも禁止されていないので、これは当然に行政書士の業務と考えます。

しかし、先日述べたとおり、判例で自賠責請求はダメという判断も有ります。通達と判例を比べれば、判例のほうが上位だと言われています。

では判例通り自賠責請求はダメなのか?と考えてみると、「3名の殺人で死刑」というのは広く知られた裁判での死刑の判断基準ですが、法律で「3名の殺人で死刑」とは書いていません。しかし通常、1名の殺人で死刑はありません。前回説明したA書士の判例では示談代行まで行ったから自賠責もダメというのは「3名の殺人で死刑」というケースで、自賠責請求のみの場合は死刑ではないというような感覚でしょうか。