今回は法律の適用について。
法律では弁護士法税理士法で次のような決まりがあります。

弁護士法3条2項
『弁護士は,当然,弁理士及び税理士の事務を行うことができる』

税理士法51条1項
『弁護士は,所属弁護士会を経て,国税局長に通知することにより,その国税局の管轄区域内において,随時,税理士業務を行うことができる』

弁護士法では「弁護士は当然に税理士業務ができる」当然にというからに、当たり前の常識レベルで何の問題もなく、平然と税理士業務を行えると感じます。

しかし、他の法律(税理士法)では、弁護士が税務を行うときは通知が必要と決められています。

私の感覚

私が弁護士だったとして、弁護士法だけ知っていれば、平然と弁護士として税務業務を行っています。しかし、税理士法を知っていれば、きちんと「通知」をしてから税理士業務を行うと思います。ここで強気に「弁護士法に”当然に”と書かれている以上は通知など必要ない!」と強気で喧嘩することもないと思います。

高裁の判断

弁護士側「弁護士は当然に税理士なのだから税務代理に登録や通知は必要ない。」
VS
相手方「弁護士が税務代理を行うには通知が必要である。」

判決「弁護士の通知は必要」

理由:弁護士法の「当然に」という決まりよりも税理法の「通知が必要」というまりの方が新しく決まったものだから。法律の競合について新しいルールが優先とされたようです。