あいまいな性別

日本では男性と女性という性別は見た目で判断されてきました。その区別に基づき、それが正しいという前提で様々な決まりがつくられてきました。例えば戸籍上の性別や男女による婚姻制度など。

解剖学的な男女の性別

しかし、そもそも解剖学的に完全な男性と完全な女性に当てはまらないケースがあるのは知られていました。(「完全な」とは内外すべてが男女の区別に迷いが無いということ)例えば精巣と卵巣を同時にもつ者や外見上は女性でも小さな精巣をもつ者などです。染色体、生殖巣、精器、その他の際立つ特徴により分類すると、完全な男性と完全な女性の間には主に7つのケースが存在するとされています。(近年7つのケース以外も確認されてきています)

染色体

性染色体XYは男性でXXは女性だというのが原則です。これ以外の組み合わせは存在せず、男女の区別をする場合の明確な判断基準になり得るものです。ただ、XYとXXの混合という場合もあります。

生殖巣

男性は精巣、女性は卵巣をもち性生殖と一致するが原則です。卵巣を持ちながらも成熟が停止したり、小さい精巣というケースがあります。

精器

男性は男性外性器と内精器、女性は女性外性器と外内精器を持つのが原則です。どちらか一方のみの場合や精巣と卵巣を持ちながら精器は形成不全というケースもあります。

その他

男性ホルモンの過剰分泌や精子量の低下などがあります。

視覚的に感覚でイメージする男女の別

生物学的に性別を説明するとこんな感じなるという話です。(色でイメージ

男女性別を色でイメージ

ただイメージをこのように解釈してはいけません。誤った男女のイメージ

社会の便宜上、性別をつけて区別しているものの、本来はとてもあいまいなものなんだよというお話でした。

性別はそもそもあいまい

生物学的に男女として明確に区分できない場合を障がいだとする考えもあります。障がいをもつ者に差別的な扱いをしてはならないという話です。確かに染色体の異常や精器の異常と言えなくもありません。しかしこれは男女が明確に区分できるという考えが根底にあります。そうではなくて、性別は元来多種多様であるという考え方を根底に社会を形成するのが望ましいのではないでしょうか。

あいまいな性別